第34回マンション維持管理講座・相談会の報告

「弁護士と考えるマンション管理規約〜民泊・コミュニティ問題〜」

 9月3日(土)に東大島文化センターで、マンション維持管理支援専門家ネットワークによる講座・相談会を開催しました。「住宅を活用して宿泊サービスを行う民泊について管理組合はどの様に対応すればよいか」、「マンション標準管理規約改正でコミュニティ活動に関する条項が削除されたことで管理組合活動に影響はあるか」、という2つのテーマについて、弁護士チームによる報告と会場からの質問をもとにしたディスカッションを行いました。新聞等で話題のテーマでもあり参加者は50名と盛況でした。
 民泊については、不動産の有効活用などプラス面もありますが、ゴミ出しや騒音などの生活トラブルなどのマイナス面もあります。まずは、管理組合で民泊を禁止するのか、認めるのかという方針を決定し、それに基づき管理規約の整理も行うことが必要です。例えば、専有部分の用途について「専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定している管理組合も多いですが、民泊は住宅利用の一つとされており、これだけでは民泊を禁止したことにならない可能性があります。
 管理組合のコミュニティ活動ですが、今回の標準管理規約改正でどこまでが合法でどこまでが違法かということが明確化された訳ではありません。管理組合がコミュニティ活動を行うことで「訴訟(を受ける)リスク」があることが強調されていますが、それはごく少数で、自治会費の取扱いなどお金に関わる問題に限定されます。コミュニティ活動ならば何でも管理組合のお金を使ってよい訳ではないという自覚と、予算や事業計画の決議と結果の報告をきちんと行い、訴訟されても大丈夫という整理を行っておくことが大切です。